長谷あきら(植物生理学分科)

植物は、生存戦略の一つとして独特なやり方で光環境の変化を感じ取っている。植物生理学分科では、光応答の主役である光受容タンパク質に焦点をあて、それらがどのようにして細胞内で、あるいは細胞外にシグナルを伝達するか、そして、それが個体レベルの応答にどのように統合されるのかを、分子遺伝学的、生化学的、細胞生物学的手法で研究している。また、これらの研究には新手法の導入が不可欠と考え、レーザー技術、一細胞遺伝子発現解析、イメージング質量分析などによる解析を進めている。



小山時隆(形態統御学分科)

生き物は『時』を感じて生きています。太陽の光を浴びて生きていく光合成生物は概日時計と昼夜の光環境情報を使って、一日の時刻さらには一年の季節を感じています。個々の細胞は時計を持っており、細胞レベルの遺伝子発現や生理活性を昼夜外部環境に調和するほか、光周性花成のように個体レベルでも時刻を有効に活用しています。私たちは高等植物で個々の細胞が持つ時計が個体レベルで機能する仕組みに興味を持ち、時計の細胞間同期現象と光周性花成に注目して、生理学的・システム生物学的にアプローチしています。もっとも歴史の古い概日時計をもつシアノバクテリアから、『時間』に関して多様な現象を示す植物に至るまで、多角的な視点から生き物をとらえていきます。



田村 実(植物系統分類学分科)

植物分類学の研究室です。名前は古くさい学問に聞こえるかも知れませんが、野山やジャングルを歩いて植物採集したり虫眼鏡でのぞくばかりでなく、DNA鑑定やハイパワーな顕微鏡観察などの最新技術を組み合わせて植物を調べます。すると、今まで誰も見たことのない植物の世界が開けてきます。どこにどんな植物があり、それらがどのようなつながりをもって進化してきたか、謎と面白さにあふれた世界を歩く学問です。



松下智直(植物分子細胞生物学分科)

 動物と異なり、植物は厳しい環境に晒されてもそこから逃げることができません。故に植物は、動物以上に素早くかつ大規模に遺伝子発現パターンを変化させ、様々な環境の変化に対応しています。またその際、タンパク質の細胞内局在変化、オルガネラの機能的分化、細胞・組織・器官間のコミュニケーション等が重要な役割を果たすことが明らかになってきました。私たちは、この植物の「生き様」を理解するために、光環境応答、遺伝子発現制御、細胞内局在、オルガネラ、長距離シグナル伝達などをキーワードとして、様々な手法を複合的に駆使しながら研究を進めています。



鹿内利治(植物分子遺伝学分科)

 光は光合成に必須ですが、強かったり弱かったり絶えず変動します。弱い光は光合成を律速し、逆に強すぎる光は植物にとって大変危険です。植物は気まぐれな太陽に対して、様々な戦略で立ち向かっています。このメカニズムを遺伝子のレベルで理解したい!そこでシロイヌナズナを中心に様々なモデル植物を使い分けて、植物の環境適応の分子メカニズムを様々な手法を導入して解き明かしています。我々の研究テーマは多岐にわたりますが、その一例です。